好きなこと、話そ!

志村 昌美

最新ラブストーリー『パーティで女の子に話しかけるには』注目の理由は?

2017.11.28
12月が近づいてくると誰もが意識してしまうのがクリスマス。とはいえ、「一緒に過ごせる “運命の相手” がいない!」と嘆いている人もいると思うので、今回はそんな女子にオススメの映画をご紹介します。それは……。

12月が近づいてくると誰もが意識してしまうのがクリスマス。とはいえ、「一緒に過ごせる “運命の相手” がいない!」と嘆いている人もいると思うので、今回はそんな女子にオススメの映画をご紹介します。それは……。

話題沸騰中のラブストーリー『パーティで女の子に話しかけるには』!

【映画、ときどき私】 vol. 127

ロンドン郊外に暮らすエンは、パンク好きなのに内気な少年で、パーティでは女の子にうまく話しかけられずにいた。そんなある日、友だちとライブに行った帰りに偶然もぐりこんだパーティで、美しく反抗的な少女のザンと出会う。

すぐに意気投合し、たちまち恋に落ちる2人だったが、遠い惑星から来ていたザンに残されていた時間はわずか48時間だった。大人たちが決めたルールに反発したザンとエンは、大胆にも逃避行に出ることにするが、刻一刻と時間が過ぎていくことに……。

異色の2人が繰り広げるラブストーリーだけに、一体どんな展開を見せるのか、すでに好奇心を掻き立てられている人もいると思いますが、今回は本作を生み出したこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。

監督・脚本を務めたジョン・キャメロン・ミッチェル!

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督といえば、いまなお多くの人の心を掴んで離さない傑作『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』で原作・監督・脚本・主演を務めたことで知られていますが、あれから15年以上が経ち、またもや新たな名作を誕生させたといわれています。そこで、撮影時に感じた思いや自身の経験などについて語ってもらいました。

まず初めに原作を読んだときの印象は?

監督 僕たち人間というのは、恋をしているときや思春期のときは全員がエイリアンみたいだと言えるんじゃないかなと思ったんだ。それに、テーマとしてはとてもシンプルなんだけど、何か大きなものにもなると感じたし、すごく優しい形で語っているなという印象だったね。共同脚本家とプロデューサーとともに、映画にするやり方を見つける作業に時間がかかってしまったんだけど、そのなかで自分なりにいろいろともたらすことができたかなとは思っているよ。

それはたとえば、子育てや親の在り方みたいな物語にもなっているし、外国人や外から来るものに対しての恐怖といったところだね。実は最初は「他人の作品を自分が脚色して監督するのはちょっと……」と思っていたけれど、全体で8年くらいずっと考えながら作っていくうちにだんだんと惚れこんでいって、自分がやりたいという気持ちが強くなったんだ。

今回ザンを演じたのは、若手女優の筆頭として話題作への出演が続き、女子たちの憧れでもあるエル・ファニングですが、この役は彼女にしかできないと思うほどのハマり役。

最初の段階からこの役にはエルを考えていましたか?

監督 キャスティングのときは他の女優も一瞬考えたけど、『ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界』という作品を観たときに彼女しかいないと確信し、一度たりとも後悔することはなかったね。一緒に仕事をしていても楽しくて仕事がしやすいし、これからの世代の大女優になっていく存在になっていくと思うよ。

「ただ者ではない」とも感じたそうですが、監督から見たエルの魅力を教えてください。

監督 彼女は本当にいつでも気持ちをオープンにさらけ出せて、自分の感情にアクセスすることができる女優なんだ。俳優によっては、ものすごい準備が必要だったり、監督が褒めてくれたりしないとダメな人もいるんだけど、彼女にはそういうことが全然必要なくて、自立しているから深くコラボレーションしてくれるんだよ。

たとえば、感情をすごく表現しないといけないシーンでも、5秒でゼロから120キロくらいのスピードを出せるんだ。後半にザンが自分の惑星に帰るか悩むシーンでは、「ちょっとだけ時間をください」と言われたけど、そのあとにエルがある大事なセリフを言ったときに僕はそこがこの映画の核だなとすぐに思ったよ。映画では実際にそのときのテイクを使っているんだけど、本当にすごかったね。

今回のテーマのひとつにあるのはパンクですが、監督は「いまこそパンクが必要な時代」だと感じてこの映画を作ったという。

では、監督にとってのパンクとは何ですか?

監督 僕がパンク音楽ですごく好きなのは、暴力的な喜びがあるところなんだ。つまり、象徴的で古くて役に立たないものを壊して、新しいものが生まれる余地を作るというのがパンクだというふうに思っているんだよ。

そして、僕はすべての文化、すべての時代に違うバージョンのパンクというのが存在していると考えているんだ。だから、それは森林が健康的に大きく育っていくために、必要としていないゴミみたいなものを自然火災で燃やして育っていくようなもので、たとえるなら「健康的な森林火災」と言えるんじゃないかな。

そんなパンクの精神をこの作品ではどう表現しようと思ったのですか?

監督 今回、パンクというのはひとつのスタイルにすぎないと思っていて、物語は『ロミオとジュリエット』により近いよね。つまり、2人が属しているサブカルチャーはあまり外側のものを入れないような傾向がある。でも、愛を通して2つが交錯することで、よりよい新しいものを作っていくことができるということなんだ。

本作のエンとザンのように、ひとつの出会いが人生を変えてしまうことは多くの人が経験したことがあるはず。

監督の人生において印象的な出会いとは?

監督 有名な人や自分のアイドルに会うというのは、もしかしたらがっかりするかもしれないから、いいことだとは言い切れないよね。でも、僕は作家のサミュエル・ベケットが亡くなる年に彼と一緒にコーヒーを飲むことができたんだけど、本当に優しい方で、アーティストとしての見本であり、僕の人生を変えてくれた出会いでもあったよ。

なぜなら、ひとりの人間があんなに純粋で心優しく、自分の人生で感じていることを苦々しさもなくここまで正直に話せて、表現できる人がいるんだというのは、彼を見てすごく心に残っていることだからなんだ。

さまざまな出会いから刺激を受けて進化し続けている監督だけに、今後どのような作品を発表するのかついても気になるところ。

最後に、これから取り組んでみたい題材があれば教えてください。

監督 実は次の作品も動き出していて、それは僕が主演なんだ。『ヘドウィグ』と同じように意外性のあるオリジナルの作品だから、最初はテレビシリーズをイメージしていたんだけど、それが難しいことがわかったので、いまはポッドキャストのシリーズとして開発しているんだよ。

『Homunculus(ホマンキュラス)』というタイトルの作品で、脳腫瘍を患っている主人公が摘出手術のために出資を募り、オンラインで自分の人生に起きたことを語っていくという物語。ラジオドラマというか、ラジオミュージカルとなっているんだ。

インタビューを終えてみて……。

監督だけでなく俳優でもあるだけに、ヴィヴィアン・ウエストウッドの洋服を颯爽と着こなし、さすがのオーラ! とはいえ、物腰が柔らかく、優しい笑顔がとても印象的でした。監督にとって、新たな代表作ともなる作品だけに、ぜひともみなさんの目にも焼き付けてください。

誰もが忘れられない出会いがある!

個性豊かな俳優陣に加え、音楽やファッションなど、とにかく見どころ満載の本作。忘れかけていた恋の甘酸っぱさや切なさにも、思わず胸がキュンとなってしまうはず。あなたのなかにもきっとある “パンクの心” で感じてみて。

刺激的な予告編はこちら!

作品情報

『パーティで女の子に話しかけるには』
12月1日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
配給:ギャガ
© COLONY FILMS LIMITED 2016
http://gaga.ne.jp/girlsatparties/

洋服類:Vivienne Westwood MAN
シューズ:Vivienne Westwood Accessories
お問い合わせ先:ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション(Tel:03-5791-0058)

この記事を書いた人

志村 昌美
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映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。この連載では、新作映画を紹介しつつ、自身の体験談と主観満載でお届けします。
また、イタリアとイギリスへの留学経験から、現在は日・英・伊・仏のマルチリンガル目指して猛勉強中!
日々試写で観る新作の感想など、随時つぶやいてます♪
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