志村 昌美

橋本マナミ「瑛太さんとの濡れ場はキスから全部フリーで挑んだ」

2017.11.25
アラサーになると、女性として大きな武器となるとは、やっぱりかわいさよりも大人の色気。そこで、男女ともに魅了している妖艶さで大人気のあの方に、お話を聞いてきました。その方とは……。

テレビやグラビアで大活躍の橋本マナミさん!

【映画、ときどき私】 vol. 126

今回はまもなく公開される注目作『光』に出演し、女優としてもますます輝きを増している橋本さんに、最新作の見どころや女性として色気をアップさせる方法などを教えてもらいました。

本作は、いつもの橋本さんのイメージを大きく覆すようなノーメイクで地味な主婦の南海子(なみこ)を演じていることだけでなく、大胆なシーンにも挑戦していることで話題となっているところ。

まったく違うタイプの女性を演じてみていかがでしたか?

橋本さん パブリックイメージでは「愛人にしたい女」といわれていることもあり、わりと華やかに思われているので、「真逆な役だね」と言われたんですけど、実は南海子と私は近いところがたくさんあるんです。たとえば、コンプレックスが強いとか、うまく人と関わり合いを持てないとかそういた部分はすごく似ていると思います。あと、普段は生活も質素で、私もけっこう地味なんですよ(笑)。

では、「愛人にしたい」と言われることに自分では違和感がありますか?

橋本さん そうですね、本当はお嫁さんにしたいNo.1になりたかったので(笑)。だから、ちょっと違う方向に行っちゃったんですけど、求められるほどうれしくて、ファンの方と一緒に作り上げてきたみたいな感じですね。4年前までは清純派でやっていたので、ガラッとキャラも変えたんですよ(笑)。でも、以前は自分の居場所がないと感じていたので、いまは居心地がよくなったというのはありますね。

今回の作品は主演の井浦新さんをはじめ、瑛太さんや長谷川京子さんといった豪華なキャストが揃っていることでも注目されています。橋本さんは井浦さん演じる信之の妻でありながら、瑛太さん演じる輔(たすく)とも深い仲にあるという役どころ。

共演されたおふたりの印象を教えてください。

橋本さん 新さんに関しては、休み時間も信之のままだったので、お話もしましたけど、ミステリアスでまったくつかめなくて、未だにに新さんの本性がわからないんですよね(笑)。

瑛太さんも現場では輔そのものでした。今回は瑛太さんと濡れ場のシーンや感情を一番ぶつけるシーンというのがあったので、けっこうコミュニケーションも取りましたし、お芝居的にもすごく助けていただきました。

瑛太さんとの濡れ場では体当たりで演じ切っているだけに、かなり生々しいシーンに仕上がっており、本作でも話題になっていることのひとつ。

事前に綿密に打ち合わせたのか、現場で起きる臨場感を大事にしたのかいかがですか?

橋本さん 今回は臨場感のほうですね。その場所に行って、監督から「こんな感じで」みたいに言われたら、あとはキスするタイミングも全部フリーだったんです。リアル感を求めていたので、本番も数回しか撮らず現場で一気に入り込むという感じでした。クーラーもないすごく狭い部屋で、スタッフの方もギュウギュウ詰めになって撮影したので、本物の汗をかきながらでしたね(笑)。

過去には本作の監督である大森立嗣監督のワークショップをはじめ、いまでも演技のレッスンを続けているという橋本さん。

この作品に参加して、女優として次のステージに進んだと思いますがどう感じていますか?

橋本さん 私はもともと女優志望でこの世界に入ってきたんですけど、すごく不器用なタイプなんです。でも、お芝居に対する姿勢や感覚はこの作品を経て変わったかもしれないですね。これまでは全部作って現場に入ってたんですけど、いまは自然と気持ちが湧き上がってくるので、自分のなかであまり作ろうとしなくなりました。

だから、お芝居に対する構え方など、ひとつ土台ができた感じですね。映画とドラマでもまた違いますけど、引き算のお芝居のほうが自分には合っていますし、今後もそういう作品に出たいなと思っています。

これまでいろいろな経験をされたと思いますが、そのなかで研ぎ澄まされたと思うところは?

橋本さん いろいろな番組で大物の方々と会ってきたので、怖いものがなくなって、何にも動じなくなりました(笑)。すごい人が相手役だと昔はセリフが飛んでましたけど、いまは堂々と自信を持ってできるようになったので、そこは経験値と一緒に磨かれたかもしれないです。

逆に昔から変わらないことはありますか?

橋本さん 小さい頃は本当に内気で人前に出るのがすごく苦手で、芸能人というものが大嫌いだったんですよ。人前に出て自分をさらけ出して、何が楽しんだろうと思ってたので(笑)。でも、そういうコンプレックスからこの世界に入ろうと思ったのかもしれないですけど、人付き合いはいまでもちょっと苦手なので、芸能界の派手なところにはあんまり近づかないようにしているんです(笑)。そういう「我が道を行く」みたいな根っこの部分は、小さいときから変わらないかもしれないですね。

そこまで苦手だと思っていた仕事をやってみてどう感じていますか?

橋本さん もともとは嫌いだったけど、いまではこの仕事も合っていたのかなと思います。多分、好きと嫌いは紙一重だから不思議ですよね。でも、芸歴20年くらいですけど、そうやって自分を出せるようになったのはここ3年くらいですよ。なので、きっとこの役も昔だったら出来てなかったと思うので、いまでよかったなと思います。

そんな忙しい生活のなかでもこれだけのスタイルと美を維持しているのは、働く女性からするとその秘訣を知りたいところ。

美容のために欠かさないことやハマっていることは?

橋本さん それまでは夜中にご飯を食べたり、大好きなお肉ばっかりを食べてたりしていましたけど、30代に入ったら体形も崩れてくるし、やせにくくなってしまったんです。なので、最近は美に関しては敏感で、青汁を飲んだり、朝起きたときに白湯を飲んだり、あとはお気に入りのサラダ屋さんを見つけたりしています。

もともと野菜は嫌いだったんですけど、楽しみを見つけると、おいしく感じてくるんですよね。あとは、野菜を摂ることによって、メイクのノリも変わって透明感も増してきたので、楽しみながら美に近づけることを探しています。なので、無理せずに食べたいときに食べるようにもしています。あとは、エクササイズも毎回同じことをやっているとあきちゃうので、シルクサスペンションをやってみたり、興味があることは全部挑戦しますね。

そして、世の女性たちが真似したくてもなかなか真似できないものといえば、橋本さんの妖艶さ。

もし、私たちでも色気をアップできるような方法があれば教えてください!

橋本さん 色気っていろいろな人生経験や内面から出るものがあると思うので、失恋することもすごくいいことだと思うんですよね。そういうのが憂いになったりとかするので。あと、私は昔から日舞をやっていましたけど、そのおかげで指先の動きとかにしなやかさが出せるようになりました。なので、茶道とか日本の伝統芸能みたいなものを習ってみるのもすごく女性らしさが出ていいと思いますよ。

失恋するのもいいということですが、恋愛を仕事に引きずることは?

橋本さん とってもありますよ! というのも、私は恋愛どっぷり派なので、ケンカしただけでも、仕事に行きたくないなとかヤル気がでなくなっちゃったりするんです(笑)。でも、人間だし、私たちの仕事はそういうのが全部プラスになったりするので、眠れなくなったりすることもありますけど、あんまりマイナスに考えないようにしています。

悩んでいる時はどうやって気持ちを切り替えて克服してますか?

橋本さん 友だちを誘って飲んだりもしますけど、まずはすごく泣きます! 家で音楽をかけながら大声で泣くと、すごいスッキリするんですよ(笑)。

オススメの泣けるアイテムはありますか?

橋本さん 失恋したときはJUJUさんの失恋ソングをかけて、そこに気持ちを乗せて泣くんですけど、普段ストレスが溜まったときにはそのときに公開している泣けそうな映画を探して映画館でひとりで泣いています。だから、泣くのが一番ストレス解消かもしれないですね。

最後に、仕事や恋愛に悩むアラサー女子に向けてアドバイスをお願いします!

橋本さん 大人になるほど、一歩先に進むというのがすごく難しくなってきますよね。でも、私は20代後半のときに仕事に対して一回全部捨てて一歩進んでみたからこそ未来が開けたというのがありますし、やっぱり人生は一回だけなので、「なんか違うな」と思ったときはいろんなものを犠牲にするかもしれないですけど、挑戦してみるというのはすごく大事だと思います。

あと、恋愛に関しては、歳を取るほど傷つくのが嫌になって、好きになりづらくなってくるので、そこは私もいますごく悩みなんです。でも、それだといい人に出会っても気づかなかったりするから、そこは私も突き進んでみようかなとは思っています。

インタビューを終えてみて……。

同じ女性からみても、橋本さんの色気には思わずドキドキしてしまったほど。今回いただいたアドバイスを胸に少しでも女子力をアップさせたいところです。映画では橋本さんの新たな一面も見ることができるので、そちらも注目ですが、ご本人からも「魂がこもった本当に衝撃的な映画で、映画館じゃないとこの迫力は伝わらないと思うので、ちゃんと心構えをして観に行ってくださいね」とのことなので、ぜひスクリーンでご覧ください。

観客の本能を刺激する!

人間のなかに潜む闇の部分を容赦なく映し出している本作。俳優陣の熱演、圧倒的な映像、そして独創的な音楽というアンサンブルが生み出す衝撃に誰もが心をかき乱されるはずです。

ストーリー

東京の離島である美浜島で中学生の信之は、恋人の美花を中心に日々を過ごし、信之を慕っていた輔は父親から激しい虐待を受けて暮らしていた。そんなある日、男に犯されている美花を目撃した信之は男を殺してしまうが、その夜に天災が島を襲いすべてが消滅することに。

それから25年が経ち、信之は妻の南海子と娘とともに幸せな生活を送っていた。しかし、バラバラになったはずの信之と輔、そして美花のもとに過去の罪が迫ってくるのだった……。

狂気に満ちた予告編はこちら!

作品情報

『光』
11月25日(土)、新宿武蔵野館、有楽町スバル座 ほか全国ロードショー
配給:ファントム・フィルム
©三浦しをん/集英社・©2017『光』製作委員会
http://hi-ka-ri.com/