志村 昌美

美しすぎるヒロインたちが語る『ブレードランナー』続編の裏側とは?

2017.11.1
何かとトレンドに敏感なananweb読者なら、すでにこの秋最大の話題作のひとつとしてチェックしているはずの『ブレードランナー 2049』。公開から35年経ったいまでも“ SF 映画史上最高傑作” と語り継がれている『ブレードランナー』の続編として大きな注目を集めている映画です。そこで、この作品に花を添えた美しきヒロインたちに直撃インタビューしてきました! それは……。

アナ・デ・アルマス&シルヴィア・フークス!

【映画、ときどき私】 vol. 121

本作の主人公であるKはハリウッドきってのセクシーさを誇り、『ラ・ラ・ランド』でも人気のライアン・ゴズリングですが、その恋人役であるジョイを演じたのは、“世界で最も美しい顔100人”ランキングでも常連のキューバ人女優のアナ・デ・アルマス(写真・左)。

そして、Kを追い詰める謎のヒロイン役であるラヴを演じたのは、“2017年注目すべきヨーロッパ俳優10人” の1人にも選出されたオランダ人女優のシルヴィア・フークス(写真・右)。今回は、そんな現在大注目の女優2人に本作の見どころやいまの心境について語ってもらいました。

まずは、この作品への出演が決まったときのお気持ちは?

シルヴィア 私が最初にプロデューサーのオフィスで聞いたときには本当に大きな声で叫んでしまって、号泣しちゃったくらい(笑)。というのも、前作は私にとって、人間的にも女優としてもとても重要な映画だったからなの。そして、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とハリソン・フォード、ライアン・ゴズリングといった方々と仕事ができるという喜びと同時に、彼らとこの世界に入り込めるチャンスを与えられたことで圧倒されたのよ。

アナ 私にとってもすごくエモーショナルな経験だったわ。怖い面もあったからナーバスにもなったけど、こういう映画の一部に自分がなれるということにドキドキするものがあったの。そして、みなさんが期待するような演技をできるようにと心から願ったわね。それに、私が演じたジョイというキャラクターはとても興味深い女性で、好奇心に駆られるようなやりがいのある役柄だったから、オーディションからリハーサル、撮影までの5か月間は一日一日が学びの連続だったわ。

いま振り返ってみて、女優としての自分に影響を与えたことは?

アナ 絶対に変わったとは思うけど、まだわからないの(笑)。でも、いままでに経験したことのないような本当に新しい映画の体験だったわ。技術的にもさまざまなチャレンジがあったし、監督から得ることもあったから、いろいろな新しいものが今回あったはずなんだけど、それがいまの段階では「何か」というのがわからないのよ。きっと、もう少し年を取って振り返ったときにわかるんじゃないかしら。

あとは、今回のような映画に参加したことで、今後どういうプロジェクトに関わりたいとか、どういう人たちや監督と仕事をしたいというような私のテイストは変わったと感じているの。だから、次に何するかということにも影響していると思うわ。

やはり仕事に対する向き合い方は変わりましたか?

シルヴィア 私もアナとまったく同感よ。つまり、今回の作品のような魔法ともいえる高いレベルでの才能の集結、そしてそこで生み出されるクリエイティビティといったものを経験してしまうと、「これから先も同じようなものを経験したい」という中毒のような気持ちになってしまうの。

私には演者として女性的な色彩を持ったパレットがあるんだけど、今回ラヴという役を演じたことによって、男性的な支配や強さの色彩も持つことができたので、より豊かなパレットを通して演技をできたというのはいままでにはないチャレンジのひとつだったわ。だからこそ、学んだことも多くて本当に素晴らしい体験だったのよ。

今回は、ライアン・ゴズリングだけでなく、前作の主人公であるデッカードを演じた名俳優ハリソン・フォードが出演していることも大きな見どころのひとつ。

では、ハリウッドを代表する俳優である2人と実際に共演してみて、印象に残っていることは?

シルヴィア これほど経験値があって才能がある役者さんで、彼らほど素晴らしい人はなかなかいないと思うの。ほかのインタビューでも共演者の印象について「本当に素晴らしくて!」というのはよく聞くとは思うし、みなさん「本当かな?」と疑っていると思うんだけど、今回に限っては本当よ(笑)! 

小さい頃から憧れていたハリソンと初めて一緒に撮影したときはすごくナーバスになったけど、ジョークでずっと笑わせてくれたくらいなの。そんなステキな人柄に加え、2人ともすごく温かいし、クリエイティブになれる場をチームで作ろうとしてくれた役者さんたちだから、一緒に仕事をしていてとても居心地がよかったわ。

アナ 私はライアンとのシーンがほとんどで、前からいろいろな人が彼のことをすごく褒めていたのを聞いてはいたけれど、それをさらに上を行くほど彼は最高の共演者だったわ! だから、彼が多くの作品に主演しているのには、やっぱりそれだけの理由があるんだと感じたわね。人格者でありエネルギーと才能もあって、そしてものすごく責任感が強くてプロ根性のある人なの。

だから、彼がセットにいるだけでみんなを引っ張っていってくれる力になるのよ。それに、すごくおもしろくて人の気持ちをゆったりとさせてくれるような性格でもあるので、彼のようなスターは壁があって絶対に心が通じ合えないんじゃないかとも思ったけど、とても気持ちが繋がりやすかったわね。あと、私の役はいつもセクシーな衣装ばかりだったんだけど、彼はとても気に入ってくれたわ(笑)。

撮影中は2人とも役に合わせて髪の色を変えて挑んでいるだけにまるで別人のようですが、さまざまな衣装を身に着けたり、激しいアクションシーンをこなしたりと役作りには苦労もあったはず。

最後に、それぞれの役を演じるうえでこだわった部分があれば教えてください。

アナ 今回、衣装選びのプロセスというのは私にとってはとにかく楽しかったわ。というのも、ものすごい種類の衣装のセレクションで、いろいろな文化からくるアイディアだったり、さまざまなスタイルがあったりして、たくさんのものを試せたというのがおもしろかったの。

だからジョイでいることは夢のようだったわ。髪型やメイクアップに関しては衣装と違って、私のキャラクターに対するイメージというのを監督がはっきりと持っていたので、当時私はブロンドだったけど、髪の毛を暗くして前髪を下して欲しいという明確な指示に沿って役作りを進めていったのよ。

シルヴィア 私は起用が決まったあとに言われたのが、「ラヴはとても強いキャラクターにしたいから筋肉を8キロ付けてください」ということだったの。だから、トレーナーだけでなく、栄養学や心理学の先生もつけて肉体改造をしたのよ。

私はもともと細身だったから、筋力をつける作業が必要で、1日6時間ものトレーニングをしていたの。本当に辛くて痛みを感じるものだったんだけど、それがラヴという役を理解するにとても役に立ったわ。というのも、彼女は大きな痛みと葛藤も抱えているキャラクターだったから、限界よりを超えるような運動をすることで、ラヴの自立心を発見できたように思っているの。だから、こうしてみんなで一生懸命やったことがこれだけ世界中の人たちに温かく迎えられて、通じているというのはとてもうれしいことだわ。

インタビューを終えてみて……。

誰もが一瞬で魅了されてしまうような美貌を持つアナとシルヴィアですが、そんな2人が並ぶととにかく美しすぎるオーラが全開! 思わず吸い込まれそうなほどでしたが、とても気さくな人柄で、リラックスしてお話を聞かせてもらいました。それぞれのキャラクターはまったく違いますが、どちらも本作には欠かせない重要な役どころを熱演しているので、ぜひ注目してみてください。

この “奇跡” を見逃さずにはいられない!

伝説的SF作品としていまなお高い人気を誇る『ブレードランナー』のDNAを引き継いで誕生した新たな傑作。前作を観ている人はもちろん、観ていない人でも楽しめるようになっているので、圧倒的な映像と音楽とともに、心を揺さぶるこの世界観を存分に堪能してみては?

ストーリー

2049年、貧困と病気が蔓延するカリフォルニアでは、レプリカントと呼ばれる人造人間が労働力として製造され、人間社会との危うい共存関係を保っていた。そんななか、危険なレプリカントを取り締まっていたブレードランナーのKは事件の捜査中に巨大な陰謀を知ることになる。

そして、その闇を暴く鍵となるのは、30年間行方不明だったかつてのブレードランナーであるデッカードだった。彼が命をかけて守り続けてきた秘密と人類存亡に関わる真実がついに明かされることに……。

刺激が止まらない予告編はこちら!

作品情報

『ブレードランナー 2049』
10月27日(金)全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
http://www.bladerunner2049.jp/