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志村 昌美

満島真之介さん「目の前にいる人を愛せるようになった」人生の転機とは?

2017.7.6
本格的に梅雨の季節に突入し、スッキリしない天気の日は外出する気分にはなれないもの。そこで、そんなときに家でじっくりと見たいオススメのドラマシリーズをご紹介します。映画顔負けのAmazonオリジナルの作品とは……。

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鬼才・園子温監督が放つ衝撃の異色作『東京ヴァンパイアホテル』!

【映画、ときどき私】 vol. 99

22歳の誕生日を迎えるマナミは、謎の吸血鬼から追われていた。そんななか、マナミを救うために現れた強大な力を持つKは、吸血鬼たちと激しい銃撃戦を繰り広げることに。

ホテル・レクイエムでは、山田という謎の男と奇怪な女帝たちが、ある企みを実現するために若い男女を集めていた。なぜ、マナミは吸血鬼たちから狙われているのか。なぜ、若者たちはホテルに閉じ込められているのか。そこには、人類と吸血鬼たちの存亡をかけた驚愕の事実が隠されていたのだった。この戦いの先に彼らを待ち受ける運命とは……。

本作は、園子温監督初のオリジナル脚本によるドラマシリーズだけに、とにかく圧倒されっぱなしの世界観と映像の連続。誰もが一度観たら抜け出せなくなるはずですが、今回はこの作品に並々ならぬ思いを持ったある方を直撃してきました。それは……。

唯一無二の存在感を放つ山田を演じた満島真之介さん!

映画出演作が次々と公開されるだけでなく、ドラマやCMなどでも幅広い層から高い人気を誇っている満島さんですが、本作ではまた新たな一面を見せていることでも話題。俳優デビューする前には、園子温監督の助監督を務めていたというだけに、満島さんにしか語ることのできない現場の様子やいまの心境について、熱く語っていただきました。

まずは、園監督からオファーをされたときの気持ちは?

満島さん 10代のときに園さんのもとで助監督をやるというのは、人生において大きな体験でした。それから10年経って役者として声をかけてもらえて、喜びはもちろんですが、とても感慨深かったです。それだけに、これまでのいろんな思いや、一緒に過ごしてきた時間がフラッシュバックしてきたりもしました。

だから、「ぜひ一緒にやりたい」というお話を園さんからもらったときには、言葉に表せないようなたまらない気持ちになったというのが一番。それもあって、この作品が世に出ていくというのは、僕の人生の宝物です。

今回はとにかく大変な現場だったそうですが、満島さんが現場で意識していたことは?

満島さん いつも通りといえばいつも通りの現場だったと思うんですけど、何が違うかというと、今回はオリジナル脚本の作品なので、園さんの頭のなかにしかない世界なんですよ。原作があれば、だいたいのイメージの指標みたいなのがみんなにもあるんですけど、ゼロの状態から作っているので、園さんの言葉や醸し出す雰囲気から生み出される世界観でしかないので、そこが大変だったとは思いますね。

だから、園さんを昔から知っている僕が、他の役者さんやスタッフと監督との懸け橋のような存在になるべきだということをすごく意識していました。どれだけ現場がバタバタしてギリギリの状態だろうが、僕は冷静に、そして誠実に立っている柱にならなきゃいけないなと思っていたし、そうすることで園さんも安心して自分が作りたい世界をどんどん広げていくことができるんじゃないかなと思いながらやっていました。

満島さんといえば、海外でもさまざまな言語で話しかけられてしまうこともあるそうですが、その無国籍な雰囲気が魅力のひとつ。

だからこそ、ミステリアスな山田にハマっていたと思いますが、役作りでこだわったところは?

満島さん  誰もがヴァンパイアには映画で見るようなイメージがあると思うんですけど、妖怪とか幽霊みたいに日本の文化には一切ないものなんですよね。「じゃあどうしようか」と思うんですけど、逆にいえば正解も不正解もないし、いいも悪いもないということ。

だからこそ、役作りをするというよりも、「僕らにしかできないおもしろいものを作ろう」と園さんとすり合わせながら、こういう形になりました。そして何よりも、日本のヴァンパイア像の扉を開いていける喜びがありましたね。

俳優人生においても転機になりましたか?

満島さん 僕自身は外国の血が入ってますけど、年齢的にも少しずつ自分がオープンになり始めたときに、自分のアイデンティティみたいなものをすごく感じていました。そんななかで、「役者として、日本でどういう世界観を出していけばいいのか」というのを考えると、やっぱり抗えないアイデンティティのパワーみたいなものがあるわけですよ。

そしたら、「日本とか世界とか関係なく、自分自身として力強く生きています」というのをちゃんと提示しなきゃいけないなって。そう思っていたときのオファーだったので、本当にすべてのタイミングがドンピシャでした。「俺は俺だ」という抗えない強さをひとつ示せたというのはすごく大きいし、自分のなかでも、大きな喜びとともに新たなスタートを切る瞬間の作品でしたね。

撮影で苦労したことはありましたか?

満島さん 多分みんなは大変だったと思いますけど、僕は一番楽しんでたんじゃないかな笑。ほとんど眠る時間がないとかいろいろありましたけど、辛いとか言ってる場合じゃないくらい喜びが勝ってたわけですよ。だから、僕のなかでそういうのは全然問題ではなかった。

それよりも、人生で何回もないこの幸せな時間という宝物をポケットにしまっていくような日々でした。だから、突っ走りましたよ。ちなみに、僕はテンション高くやっているわけじゃなくて、あれが当たり前なんですよ笑。純粋に楽しかったんです。

いつもポジティブで明るいオーラ全開の満島さんですが、その秘訣は?

満島さん 昔からそういうことばっかり考えてたんですけど、ある時期に思ったのは、「自分は世界にひとりしかいない」ということ。そうなると、「目の前にいる人も世界にひとりしかいないんだ」とわかり、すべての出会いや時間が大切になってきて、リスペクトできるようになったんです。だから、いい人とか悪い人とか、自分と合うとか合わないとか、そういうものではなくて、単体として宝でしかないということに気づいたときからがスタートでしたね。

そこからは、「自分のことが愛せなければ、目の前にいる人も愛せるわけがない」というところに行きついて、もっと自分を愛さなきゃいけないなと。だから、いまも自分自身と向き合うことを大切にしているんですけど、それは全世界どこにいっても同じだと思うんですよね。共通しているのは何かなと考えたときに、気がついたのが挨拶。それで、まずは挨拶に心を込めようと思い実践し始めたんです。そうすると、悩んでる時間が少なくなるし、そこだけをしっかりやっていれば、素敵な方々に出会うし、みんなが自然に笑顔になっていくんですよ。やっぱり、みんなが笑顔になるとうれしくなるし、生きてる事って素晴らしい、出会えてよかったと思いますよね。

そのほかに心がけていることは?

満島さん あとは、自分が人にやられて嫌なことはやりたくないっていうシンプルなこと。ポジティブというよりもこれが本当は当たり前なんじゃないかなと。いまは、いろんな情報が舞い込み過ぎちゃっていっぱいいっぱいになってるんじゃないかというふうにも思ってます。たとえば、机は壊れても同じものがありますけど、人はその人しかいないから替えがないんです。だから、みんなにも自分を傷つけないで欲しいなって思いますね。

そういうことに気がついたきっかけはいつでしたか?

満島さん 25歳のときに、「一度、自分と根本から向き合いたい」とふるさとに帰って、自分のルーツを巡ることにしたんです。保育園から始まって、自分が生きてきた場所と出会ってきた人たちに会って、最後に母親と話をしました。改めて自分を知りにいく。それがひとつ大きなきっかけでした。こういうふうに生きてきたんだなというのを再確認したときに、自分で壁を作ってたなとか、頭で考えすぎてる部分がたくさんあったので、それを受け止め、自分のパワーを存分に注いでみようと決心したんです。話す内容よりも、まずは会った瞬間の愛情を持とうと。

そこからは、どんどん出会いや生きる幅や広がり、周りもびっくりするくらいオープンになっていきました笑。でも、だまされたと思ってやってみると、本当におもしろくなるんですよ。僕は学童保育で働いていたこともあって、子どもの成長から学んできたところもありますけど、大人もまったく同じで止まってるはずがないと思うんですよね。

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満島さん たとえば、いいものを持っていたいとか、いいものを身に付けたいとか、物質的なものにみんな意識がいきすぎてると思っているんですよ。特にこれだけ情報があふれている社会で、一度深呼吸して足もとを見てみようかなって思ったのが僕には転機でした。なので、みなさんも、ふとしたときに吹く風を感じて、1日の一瞬だけでもいいので自分に還る時間を作ってみてはどうかなと。女性が活き活きしはじめると、男性も活気づきます笑。

もちろん、逆もそうなんですけど、女性の力というのはやっぱりすごく強いし、男の生きる糧である。僕らのみなぎるパワーはどこからくるかといったらやはり女性からなんです。女性は自分から生み出せる力があるから、どんどんと生み出してもらいたい。男を後ろから叩いて走らせてもらえると、男って喜んで走りますから笑。恋も仕事も全力で楽しむ、それくらいみんながのびのびと生きていくと、人生がより素敵な時間になっていくんじゃないかな。

インタビューを終えてみて……。

今回うかがった言葉通り、インタビューの最初と最後には、私たち取材スタッフひとりひとりに握手までして挨拶をしてくださった満島さん。いるだけでその場の雰囲気を一気に明るくしてしまうオーラと気さくさに、誰もがファンになってしまうのは納得でした。まさに身も心もイケメンの満島さんですが、本作で俳優として転機を迎えたとのことなので、今後がますます楽しみです!

止まらない衝撃と疾走感に鳥肌!

「日本と世界とのかかわり方など、根底にあるテーマをヴァンパイアという時空のかけ離れた世界に溶け込ませているので、未来への希望も含めて、それぞれのメッセージを感じて欲しい」という満島さんをはじめ、豪華キャスト陣の熱演はとにかく必見。開始早々から心拍数が急上昇するような、誰もが度肝を抜かれる衝撃体験をくれぐれもお見逃しなく!

見たこともないような予告編はこちら!

作品情報

『東京ヴァンパイアホテル』
Amazonプライム・ビデオにて独占配信中
総監督・脚本:園子温
8話・9話監督・脚本:久保朝洋 松尾大輔
8話・9話脚本:継田淳 碇本学
出演:夏帆、満島真之介、冨手麻妙、神楽坂恵、安達祐実ほか
企画・制作:日活株式会社
©2017NIKKATSU

https://www.amazon.co.jp/dp/B071G6KVCF/ref=dvm_jp_pv_sm_tw_001231

この記事を書いた人

志村 昌美
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映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。この連載では、新作映画を紹介しつつ、自身の体験談と主観満載でお届けします。 また、イタリアとイギリスへの留学経験から、現在は日・英・伊・仏のマルチリンガル目指して猛勉強中! 日々試写で観る新作の感想など、随時つぶやいてます♪ https://twitter.com/masamino_19