田代 わこ

【イヤん…キャラ萌え♡】噂のキモカワ&超絶アートが上野に集結!

2017.5.17
現在、上野の東京都美術館で『ブリューゲル「バベルの塔」展』が開催中です。16世紀のネーデルラントで活躍した巨匠、ブリューゲルとボスの傑作を紹介する展覧会ですが、この画家たちをよく知らなくても大丈夫! 絵を見れば、きっとハマる人がいるはずです。キモカワキャラも登場する驚きの作品群、詳しくご紹介します!

『ブリューゲル「バベルの塔」展』、開催中!

【女子的アートナビ】vol. 68

『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展』では、16世紀ネーデルラント美術の巨匠、ボスとブリューゲルの傑作をはじめ、同時代に活躍した芸術家たちの絵画や版画、彫刻など89点が集結。

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初来日の名画や超絶技巧の傑作、そして一度見たら忘れられないキモカワキャラ満載の版画など、見どころだらけの展覧会です。

ネーデルラント美術って?

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ネーデルラント美術って、聞きなれない言葉ですよね。ネーデルラントとは、現在のベルギーとオランダにまたがる地方のこと。この地域で14世紀末から16世紀末にかけて発展した美術が “ネーデルラント美術”。フランドル美術と呼ばれることもあります。

キモカワキャラに興奮!

まずご紹介したいのは、ピーテル・ブリューゲル1世(1526/30~1569)が下絵を描いた版画作品《大きな魚は小さな魚を食う》。画面の中心に巨大な魚が横たわり、その腹を男が大きなナイフで切り裂いています。腹や口の中からは小さな魚があふれ出し、ちょっとグロテスクな雰囲気。この絵は、弱肉強食をテーマにした教訓を版画化したもの。画面手前にいる父親が子どもに教訓を教えている場面も描かれています。

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作品の大きさはA4判程度。その中に空飛ぶ魚や人間の足が生えた魚、釣りをする人など、さまざまなモチーフが細密に描かれています。絵の中にはいろいろなキャラがいますが、特に足の生えた “魚男” がインパクト大! 

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この“魚男”、 美術館の窓にもデコレーションされています!

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さらに “タラ夫” という名前まで付けられて、展覧会の公式マスコットにもなっています!

真打ちはバベルの塔!

版画もいいのですが、やはりブリューゲル作品の真打ちは油彩画の代表作『バベルの塔』です。先程ご紹介した魚男の版画も細かくて驚きましたが、実はまだ序の口。本作はさらに細密で、スゴイを通り越してコワイのレベルに達しています。

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そもそもバベルの塔とは、旧約聖書に出てくる話。かなりざっくり説明すると、天にも届くような高い塔を建てようとした人間の高慢さに神が怒り、人類の言葉を混乱させ塔の建設を中止させた、というストーリーです。

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ブリューゲルの描くバベルの塔は、ローマのコロッセオに似た形。一見すると建物しか見えないのですが、近づくと、米粒ほどの大きさで人間がいっぱい描かれています。その数、約1400人!

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原画の大きさは59.9×74.6センチなので、人物はかなり小さめ。なので、じっくり観察したい方は、作品近くに掲示されている拡大パネルをチェックしてみてください。あまりの細かさに、驚きますよ!

ボスも忘れないで!

ブリューゲルを前面に出している展覧会ですが、実はもう一人の巨匠、ヒエロニムス・ボス(1450~1516)の油彩画も見ごたえがあります。

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ボスは、地獄や妖怪を細密に描いた宗教画など、個性的な作品で人気を博した画家です。彼の絵は後世の画家にも大きな影響を与え、画風をまねる人が続出。16世紀半ばには「ボス・リバイバル」が巻き起こります。ブリューゲルもボスにハマったひとり。実は先ほど紹介した版画作品《大きな魚は小さな魚を食う》に出てきた “魚男” なども、ボスが好んだモチーフなのです。

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ボスの現存作品はかなり少なく、油彩画25点、素描10点ほどしか残されていないとのこと。日本で見られる可能性は極めて少ないといわれていたのですが、この展覧会ではなんと2点も初来日しているのです!

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そのうちの1点が、キリスト教の聖人伝を描いた《聖クリストフォロス》。廃墟から顔を出すモンスターなど、ボスらしいユニークなモチーフが出てくるので、初心者でも楽しめます!

※本記事掲載の作品写真は、主催者の許可を得て撮影したものです。会期終了後は削除します。

キモカワグッズにハマる!

ミュージアムショップでは、キモカワグッズが大集合! 

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魚男などのキャラがプリントされたTシャツやマグカップ、フィギュアもあります。

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バベルの塔がプリントされたタオルも、大人気!

何度もリピートしたくなる楽しい展覧会、東京会場は7月2日(日)まで、大阪会場は7月18日(火)~ 10月15日(日)まで開催の予定です。

Information

会期:~7月2日 (日)
時間:9:30~17:30、金曜日は20:00まで ※入室は閉室の30分前まで
会場:東京都美術館 企画展示室
料金:一般1,600円、大学生・専門学校生1,300円、高校生800円、中学生以下無料

公式サイト