上野でアートと桜の春デート♡ 和の展覧会+お花見スポット2選
『博物館でお花見を』+上野恩賜公園の桜
【女子的アートナビ 番外編】
最初のオススメは、東京国立博物館で開かれている春のイベント『博物館でお花見を』。こちらでは、桜を描いた絵画や、桜モチーフのステキな工芸品などが楽しめます。
例えば、《源氏物語図屏風(若菜上)》には、桜の木が何本も描かれ、とっても華やか! 絵の題材になっているのは、『源氏物語』「若菜上」の一場面。飛び出してきた猫が御簾(みす)を開けるというハプニングが起こり、貴公子の柏木が女三宮の美しい姿を見てしまうところです。柏木の恋を満開の桜が応援しているようにも見えますね。
また、桜の絵があしらわれている器《色絵桜楓文木瓜形鉢》も色鮮やかでとってもステキ。桜だけでなく、楓の絵も描かれています。これは雲錦手(うんきんで)と呼ばれるデザイン。桜を雲、楓を錦に見立てています。
東京国立博物館には、美術作品だけでなく、本物の桜もあるのです! この時期、博物館の本館北側に広がる庭園が特別に開放され、約10種類もの桜を楽しむことができます。上の写真は、3月30日に撮影。枝垂桜は見ごろを迎えていましたが、ほかの桜はこれから順次咲いていきます。さらに、4月1日(土)・7日(金)・8日(土)は19:30まで庭園がライトアップ! なかなかロマンティックです♡
ほかにも、館内で無料のミニコンサートが開かれたり、ワークショップが開かれたりと、楽しいイベントが盛りだくさん! 『博物館でお花見を』の各種イベントは4月9日まで。ただし、桜関連の作品は、その後も期間限定で展示されています。詳しくは、公式サイトをご覧ください。
東京国立博物館の周辺にあるお花見スポットといえば、もちろん上野恩賜公園。ただ、園内の「さくら通り」と呼ばれるメインの桜並木は、宴会する人も多くにぎやかなので、デートで行くなら不忍池エリアがオススメです。お散歩したり、ボートに乗ったりしながら、のんびりお花見できますよ。
『雪村』展+谷中の桜
次のオススメ展覧会は、東京藝術大学大学美術館で開かれている『特別展「雪村 -奇想の誕生-」』。
雪村さん……、たぶん、あまり知られていない画家さんですよね。展覧会のポスターにも、『「ゆきむら」ではなく「せっそん」です。』と自己紹介ネタのようなコピーが載っています。
がしかし、この「せっそん」さん、とってもドラマティックで独創的な絵を描かれる方なのです。彼が活躍したのは、戦国時代。常陸国(現在の茨城県)で武家の一族に生まれ、出家したあと画家となります。元祖 “奇想の画家” ともいえるユニークな絵を描き、あの尾形光琳にも敬愛されていたそうです。
絶頂期に制作されたのが、《呂洞賓図(りょどうひんず)》。呂洞賓とは中国の仙人で、ここでは大胆に首をそらし、上空にいる龍と問答をしている姿が描かれています。
本作品はポスターにも使われているので、何度か印刷物は見ていたのですが、実物の迫力は格別。筆の勢いが感じられ、絵の中に流れる大気まで伝わってくるようです。会場には、拡大図が展示されている作品もあるので、雪村の技を細部まで楽しめます。地味だけどスゴイ雪村。若冲のように「せっそん」ブームが来るかもしれません! 会期は5月21日(日)まで。
雪村の水墨画世界を堪能したら、上野エリアから少し足をのばして谷中まで行ってみませんか? 東京藝術大学大学美術館を出て左(北方面)に進み、「上野桜木」というステキな名のついた地域を通って谷中に向かいます。
谷中エリアでオススメの桜スポットは、谷中霊園の「さくら通り」。上野公園と違い宴会する人もいないので、静かに桜を楽しめます。上の写真は、3月30日に撮影。まだ咲き始めです。通りの両側にある桜の木が満開になると、とってもキレイですよ! 藝大の美術館から谷中までは、ゆっくり歩いても10分ほど。
人気の谷根千エリアには、おしゃれなカフェも点在。ひと休みしながら、お散歩デートを楽しんでみてはいかが?
Information
※『特別展「雪村 -奇想の誕生-」』、公式サイト
『特別展「雪村 -奇想の誕生-」』
会期:~5月21日(日)
時間:10:00~17:00(入館は午後4時30分まで)※会期中、作品の展示替えがあります。
休館日: 月曜日(ただし、5月1日は開館)
会場:東京藝術大学大学美術館
観覧料:一般1600円、大学1200円、高校生900円、中学生以下は無料